インフルエンザは毎年ほぼ決まって冬期に流行する特徴をもつウイルス感染症です。
ですから予防接種を受けるタイミングは冬がはじまる前の季節的には秋に予防接種を受けるのが良いでしょう。
ワクチンを接種後、体内で免疫抗体が出来上がるまでには一般的に約2週間程度の期間が必要です。
一度抗体が出来上がると、その型に対する抗体は最低でも半年以上効果が持続します。
ですから本格的な流行を迎える12月前には季節性インフルエンザのワクチン予防接種を受けるのが日本におけるベストタイミングとも言えます。
具体的には11月の半ばまでに予防接種を受けておくことが理想です。
複数の予防接種が重なる場合は、予防接種の優先順位と接種間隔を考慮し計画的にワクチンの接種を受けることが大切です。
子供の予防接種を行う場合は、かかりつけの小児科で予防接種を行うことがお勧めです。
特に地域で人気の高い小児科の場合は、複数の学校の子供が診察を受けているケースが多く、幼稚園や保育園、各小学校や中学校ごとの流行の情報を把握しているはずです。
インフルエンザの流行は同じ都道府県内だけでなく同じ市町村内であっても地域によって流行の時期が異なります。
その為、「今年は少し早めに予防接種を行ったほうが良いですよ」といった地域情報を元にしたアドバイスを受けることにも繋がります。
大人の場合も、病院へ行くタイミングは11月中が良いでしょう。
子供がいる場合は、小児科で一緒にワクチンの摂取を受けることも可能です。
但し、急激に流行するようなケースではワクチンの在庫が不足することもあるので、事前予約を入れておくなどの準備と予防対策をしておきましょう。
~ポイントのまとめ~
★流行前の11月中がベストタイミング
★同じ市町村内であっても地域によって流行の時期が異なる
★人気の高い小児科は地域の流行情報を把握している
育児中のママが悩むひとつの問題として予防接種の優先順位と接種間隔について確認したいと思います。
インフルエンザの予防接種のタイミングの項でも解説しましたが、インフルエンザが毎年流行する時期を考慮し11月半ばまでにワクチンの予防接種を受けるのが理想的名タイミングであると解説しました。
しかし、この時期には地域によっても異なりますがポリオの集団予防接種が重なるケースが多くあります。
このようにワクチンの予防接種の時期が重なってくる場合はどちらを優先的に受けるべきなのか悩むところですね。
この場合は考え方としては幾つかの方法がありますが、まずはワクチンの摂取に関する法的なルールを覚えておく必要があります。
まずはポリオのワクチンについて。
ポリオのワクチンは「生ワクチン」と呼ばれるワクチンです。
インフルエンザの予防接種の決まりごとでは、生ワクチンの接種を受けた場合、接種した日から27日間はインフルエンザの予防接種を受けてはいけない決まりとなっております。
※ポリオ予防接種後約4週間はインフルエンザの予防接種を受けることができない
次にインフルエンザのワクチンについて。
インフルエンザのワクチンは「不活性ワクチン」と呼ばれるワクチンです。
同様にポリオの予防接種を受ける場合は、インフルエンザと重なる時期が多いため、インフルエンザの予防接種を受けた場合は、接種後6日間はポリオの予防接種を受けることができない決まりとなっております。
※インフルエンザ予防接種後1週間はポリオの予防接種を受けることができない
この2つのルールを覚えておくと予防接種を受けるタイミングをある程度計画的に進めていくことができるようになりますね。
例えば上図①のようにポリオの集団接種が10月初頭であれば、まずはポリオを優先し、4週間後の11月初頭以降にインフルエンザの予防接種を受ける。この時A型の流行が予測される年度の場合は10月中に普段から通っている小児科などに確認をとり予約を入れておいても良いでしょう。
またもしポリオの集団接種が11月半ばなどであれば10月下旬か11月初頭のポリオの集団接種日より1週間以上前にインフルエンザ1回目の予防接種を受けておく。
など法的なルールを覚えておくと予防接種の年間計画を建てることが可能となってきます。
インフルエンザの予防接種を2回受ける必要がある場合も同様に計画的に実行します。
麻疹などの予防接種が入ってくる場合は、どちらが優先すべきかを考慮しポリオの集団予防接種は次回に回すなども考えられます。
安全面が確認されている微弱な不活性ウイルスですから一気に終わらせる方法も無いわけではありません。
しかしあまりにも立て続けに予防接種を続けるのもやはり不安も募ります。
ここは育児中のママの悩みどころでもあり頑張りどころでもあります。
~ポイントのまとめ~
★予防接種には接種間隔のルールがある
★流行の時期を考慮し予防接種の順番を決める
★麻疹なども重なる場合は次回へ移行する決断も必要
インフルエンザウイルスが流行する場合は前回の流行時とはウイルスの抗原が少しずつ変化しております。
インフルエンザのワクチンの接種は、この小変化する抗原に合わせてその都度接種しなければいけません。
流行性のインフルエンザの場合は予防接種は基本的に毎年行うことが基本です。
またA型とB型では抗原構成が異なる為、それぞれのワクチンの接種が必要な場合もあります。
例えば12月にインフルエンザA型が大流行。
流行が収まったとおもった矢先の2月頃にB型が大流行。
結局両方に感染してしまうなどのケースも当然出てくるわけですね。
同じインフルエンザという名称ではありますが、全く別物のウイルス感染症と考えても良いでしょう。その為、B型の予防接種が必要かどうかについては普段から通っている小児科の先生に確認しておき、必要な年度のみ予約をB型が流行しやすい春先前に予約を入れておくことをお勧めします。(⇒予防接種の年間計画の図参照)
尚、稀ではありますが抗原の変化が多く確認される年度では季節ごとに年2回~3回のワクチン接種が必用な年度もあります。
これは冬場に流行するという前提を覆すようなケースや複数の種類のインフルエンザウイルスが流行するケース、そして他の予防接種と重なるようなケースです。
この場合はワクチンの予防接種の優先順位を決めて計画的に予防接種を受ける計画をたてる必要があります。
~ポイントのまとめ~
★同じウイルスでも抗原の種類によってワクチンも異なる
★複数の予防接種がある年度もある
インフルエンザのワクチンの量はある程度決まっているため、その年度のワクチンの接種を希望する場合は病院での予約が必要な場合もあります。
特にインフルエンザの大流行が予想される年度に関しては、予約が殺到するケースもあるので早期に予防接種の予約手続きをしておきましょう。
但し、予防接種で受けたワクチンが必ず効果があるわけではありません。
予測したインフルエンザの流行株とワクチン株が一致しないケースではワクチンの効果は全くありません。
同様に、新型のウイルスに対しても効果はありません。
また予防接種を受けたとしてもウイルスに感染しないというわけでもありません。
感染したとしても症状が軽く収まる可能性が高いという意味で予防接種を認識しておく必要があります。
インフルエンザワクチンの予防接種は、あくまでその年度に流行すると予測されるワクチンの接種という位置づけになるのですね。
~ポイントのまとめ~
★ワクチン株の予測が外れた場合は効果なし
★予防接種を受けても感染する
★大流行が予想される年度は早めの予約を